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文献詳細

雑誌文献

胃と腸56巻8号

2021年07月発行

文献概要

今月の主題 早期大腸癌内視鏡治療の新展開 主題

大腸T1癌内視鏡的切除標本の正しい取り扱いと病理組織診断—内視鏡的切除標本の臨床的取り扱い

著者: 松下弘雄1 吉川健二郎1 田中義人1 加藤文一朗1 萬春花1 田口愛弓1 髙木亮1 橋本大志1 山崎晃汰1 東海林琢男2 榎本克彦2

所属機関: 1秋田赤十字病院消化器病センター 2秋田赤十字病院病理診断科

ページ範囲:P.1057 - P.1063

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要旨●当センターでは以前より適切な病理診断を得るために,切除標本に対し内視鏡医が積極的に関わっている.本稿ではその過程について解説する.まず,病変切除後速やかに標本固定用のボードに不錆針を用いて伸展した状態で貼り付けを行い,10%中性緩衝ホルマリン液にて固定する.その後,すべての切除標本を実体顕微鏡下で表面構造を観察し,関心領域がプレパラート上で観察可能となるように内視鏡医自らが切り出しを行ったうえで,標本作製を病理部門に依頼している.適切な標本の取り扱いは,正しい診断にたどり着くための欠かすことはできない重要なプロセスの一つである.詳細な検討が可能な状態で標本を提出することは内視鏡医の責務と考える.

参考文献

1)中里勝,山野泰穂.実体顕微鏡観察法(下部).田中信治,小山恒男,山野泰穂(編).消化器内視鏡のコツとポイント.日本メディカルセンター,pp 142-143, 2003
2)山野泰穂.切除標本の取り扱い.田中信治(編).大腸EMR・ESD.羊土社,pp 82-84, 2008
3)山野泰穂,田中義人,高木亮,他.画像所見と病理所見の対比法のコツ—大腸.胃と腸 51:1211-1217, 2016
4)日本病理学会ゲノム診療用病理組織検体取扱い規程策定ワーキンググループ.ゲノム診療用病理組織検体取扱い規程.日本病理学会,2018
5)大腸癌研究会(編).大腸癌取扱い規約,第9版.金原出版,2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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