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文献詳細

雑誌文献

胃と腸56巻8号

2021年07月発行

文献概要

今月の主題 早期大腸癌内視鏡治療の新展開 主題

大腸T1癌内視鏡的切除検体の正しい取り扱いと病理診断—内視鏡的切除標本の病理診断の基本とピットフォール

著者: 村上敬1 八尾隆史2

所属機関: 1順天堂大学医学部消化器内科 2順天堂大学大学院医学研究科人体病理病態学

ページ範囲:P.1064 - P.1068

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要旨●内視鏡的切除検体の正しい病理診断には,正確な評価可能な組織切片が作製されなければならない.そのためには,切除検体の取り扱いが適切になされる必要がある.検体の取り扱いは,検体の貼り付け,固定,画像撮影,切り出し,割を入れた検体の画像撮影,標本作製の順に行われ,これらが適切に行われて初めて病理診断(重要な病理組織学的所見の判定)が可能となる.特に内視鏡像で浸潤が疑われ最深部と予想される部位が,組織切片で観察されるような切り出しを行う必要がある.そして,内視鏡診断精度の向上のためには,病理診断後はマッピング図と内視鏡像の対比による内視鏡所見の再評価が必要である.

参考文献

1)多田修治,飯田三雄,八尾隆史,他.大腸腺腫および早期癌の実体顕微鏡所見—肉眼形態・病理所見との対比.胃と腸 27:949-961, 1992
2)田中信治,樫田博史,斎藤豊,他.大腸ESD/EMRガイドライン(第2版).Gastroenterol Endosc 61:1321-1344, 2019
3)八尾隆史.標本の取扱いと注意点,病理学的根治度判定.Intestine 19:489-496, 2015
4)大腸癌研究会(編).大腸癌取扱い規約,第9版.金原出版,2018
5)大腸癌研究会(編).大腸癌治療ガイドライン医師用2019年版,金原出版,2019
6)Lewin MR, Fenton H, Burkart AL, et al. Poorly differentiated colorectal carcinoma with invasion restricted to lamina propria(intramucosal carcinoma):a follow-up study of 15 cases. Am J Surg Pathol 31:1882-1886, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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