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文献詳細

雑誌文献

胃と腸56巻8号

2021年07月発行

文献概要

今月の主題 早期大腸癌内視鏡治療の新展開 主題

大腸T1癌内視鏡切除標本の正しい取り扱いと病理組織診断—SM浸潤度評価のポイントとピットフォール

著者: 味岡洋一1

所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科分子・診断病理学分野

ページ範囲:P.1069 - P.1075

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要旨●SM浸潤度は粘膜筋板を基準に判定されるが,その走行が同定・推定できない病変をどのように選別するかが,浸潤度評価で最も大切なポイントである.デスミン染色でSM浸潤領域に粘膜筋板が認められた場合でも,α-SMA染色によりその周囲にdesmoplastic reactionが認められる場合は,SM浸潤度判定の再現性を担保し,過小評価を避けるため,粘膜筋板の“変形あり”として,SM浸潤度は病変表層から測定する.現行の有茎性pT1癌のSM浸潤度判定は再現性に問題があり,“頭部浸潤”と“茎部浸潤”の2分法への変更が望ましいと考えられるが,“頭部”と“茎部”の境界線の定義を明確化する必要がある.

参考文献

1)大腸癌研究会(編).大腸癌治療ガイドライン医師用2005年,金原出版,2005
2)大腸癌研究会(編).大腸癌取扱い規約,第7版.金原出版,2006
3)大腸癌研究会(編).大腸癌治療ガイドライン医師用2009年,金原出版,2009
4)大腸癌研究会(編).大腸癌治療ガイドライン医師用2010年,金原出版,2010
5)味岡洋一,田中信治.大腸SM癌内視鏡切除標本のSM浸潤度判定の実際と問題点—大腸癌プロジェクト研究から.胃と腸 42:1501-1510, 2007
6)木村隆輔,藤盛孝博.DR(desmoplastic reaction).胃と腸 47:825, 2012
7)Yao T, Tsuneyoshi M. Significance of pericryptal fibrobasts in colorectal epithelial tumours:a special reference to the histologic features and growth patterns. Hum Pathol 24:525-533, 1993
8)Jones H, Steart PV, Duboulay CEH, et al. Alpha-smooth muscle actin as a marker for soft tissue tumors. A comparison with desmin. J Pathol 162:29-33, 1990
9)味岡洋一,杉野英明,近藤修平,他.PG type隆起型大腸T1癌のSM浸潤距離測定の実際.胃と腸 54:933-937, 2019
10)味岡洋一,大倉康男,池上雅博.「SM浸潤距離」の評価,標準化がなされているか—評価の現状と問題点.大腸癌Frontier 5:225-228, 2012
11)Matsuda T, Fukuzawa M, Uraoka T, et al. Risk of lymph node metastasis in petients with pedunculated type early invasive colorectal cancer:a retrospective multicenter study. Cancer Sci 102:1693-1697, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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