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文献詳細

雑誌文献

胃と腸57巻10号

2022年09月発行

今月の主題 大腸腫瘍診療の最前線

序説

大腸腫瘍診療の最前線

著者: 山野泰穂1

所属機関: 1札幌医科大学医学部消化器内科学講座・消化器内視鏡センター

ページ範囲:P.1223 - P.1224

文献概要

 本邦における死亡数は「令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況」1)によると年間約137.3万人であり,死因の第1位は悪性新生物(腫瘍)で約37.8万人を数える.また,がんの罹患者数は「国立がん研究センターがん情報サービス」2)における最新がん統計よると2018年度で約98万人と報告されている.この数字を見ただけではあまり実感がない方もいると思うが,47都道府県庁所在地の人口3)と悪性新生物での死亡者数を比較すると第26位の長野市(約37万人)と同等であり,罹患者数は第11位の千葉市(約98万人)に匹敵する数であり,読者諸兄がお住まいの地域と比較すればいかに大きい数字であるのかが理解できる.
 これら悪性新生物の中で大腸癌に関して言えば,がん死因の第2位(約5.2万人)であり,罹患者数に至っては第1位(約15.2万人)である.さらに,大腸腫瘍で括るとこの数十倍以上の数に上ると推測され,把握できないほどの数になる.さらに,近年では潰瘍性大腸炎(約14万人),Crohn病(約4.7万人)といった炎症性腸疾患の罹患者数(受給者証所持数)4)も増加しており,これらの疾患を母地に発生する炎症性腸疾患関連腫瘍,特にUCAN(ulcerative colitis associated colorectal neoplasia)をはじめとした腫瘍も必然的に増えてきていると考える.このような背景のもとで大腸腫瘍診療には多様かつ大いなるニーズが見込まれる.

参考文献

1)厚生労働省.令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況.2020 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai20/dl/gaikyouR2.pdf(2022年6月15日閲覧)
2)国立研究開発法人国立がん研究センターがん情報サービス.最新がん統計. https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html(2022年6月15日閲覧)
3)都道府県市町村.都道府県庁所在地人口・面積・人口密度ランキング. https://uub.jp/rnk/cap_j.html(2022年6月15日閲覧)
4)難病情報センター.特定医療費(指定難病)受給者証所持者数. https://www.nanbyou.or.jp/entry/5354(2022年6月15日閲覧)
5)総務省.遠隔医療モデル参考書—オンライン診療版.2020 https://www.soumu.go.jp/main_content/000688635.pdf(2022年6月15日閲覧)
6)総務省.5G等の医療分野におけるユースケース(案),改訂版.2021 https://www.soumu.go.jp/main_content/000758049.pdf(2022年6月15日閲覧)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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