文献詳細
文献概要
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編集後記
著者: 八尾建史1
所属機関: 1福岡大学筑紫病院内視鏡部
ページ範囲:P.1601 - P.1601
文献購入ページに移動 かつて,胃の腺腫・腺癌と言えば,“腸上皮化生から発生し,腸型の形質を呈する”概念が定説であった.しかし,1990年代以降,胃型の形質を呈する腺腫や腺癌が報告され,今世紀には“胃型腺腫・胃型腺癌”という診断名が市民権を得るようになった.胃粘膜の多彩な上皮細胞の分化マーカーが利用可能となり,胃型腫瘍は,その分化傾向に応じて,腺窩上皮型,幽門腺型,胃底腺型,胃底腺粘膜型などに細分化されてきた.拡大内視鏡観察によっても,胃腫瘍の形質診断まで踏み込めるようになってきた.さらに,H. pylori(Helicobacter pylori)の除菌後粘膜や未感染粘膜が増加する今日,胃型腫瘍はますます注目を浴びるようになった.
一方,十二指腸粘膜は小腸型粘膜に被覆されているので,腸型の腺腫・腺癌が発生するが,異所性胃粘膜,胃腺窩上皮化生とBrunner腺の存在に基づいて,胃粘膜原発のものに類似する胃型腫瘍が少なからず発生する.また,十二指腸ではBrunner腺の存在様式から独特の形態を示す胃型腫瘍が多い.
一方,十二指腸粘膜は小腸型粘膜に被覆されているので,腸型の腺腫・腺癌が発生するが,異所性胃粘膜,胃腺窩上皮化生とBrunner腺の存在に基づいて,胃粘膜原発のものに類似する胃型腫瘍が少なからず発生する.また,十二指腸ではBrunner腺の存在様式から独特の形態を示す胃型腫瘍が多い.
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