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文献詳細

雑誌文献

胃と腸57巻3号

2022年03月発行

今月の主題 食道上皮内腫瘍の診断と取り扱い

主題

食道上皮内腫瘍の内視鏡的検討

著者: 高橋亜紀子1 小山恒男1 塩澤哲2 荒川愛子2 太田浩良3

所属機関: 1佐久医療センター内視鏡内科 2佐久医療センター臨床病理部 3信州大学医学部保健学科生体情報検査学

ページ範囲:P.273 - P.282

文献概要

要旨●2018年12月〜2021年11月までに当院で食道扁平上皮癌に対しESDを施行した204例のうち,病理組織学的にINと診断した22例24病変を対象とした.対象を,分類1:WLI,NBIで発見困難・ヨード淡染,分類2:WLI,NBIで発見可能・ヨード淡染,分類3:WLI,NBIで発見困難・ヨード正染,の3群に分類し,その特徴を検討した.分類1が20例22病変(92%),分類2が1例1病変(4%),分類3が1例1病変(4%)であった.分類1・2は全例0-IIb型でヨード染色にて不染・淡染を呈したため,発見可能であった.分類3では,主肉眼型は0-IIb型でヨードに正染されたが,一部が隆起していたため,偶然発見された.INの92%が分類1に属し,PCS・MSS陰性の18例は全例INであり,ヨード淡染かつPCS・MSS陰性がINの特徴と考えられた.一方,分類1の中でPCS・MSS陽性を4例認めたが,これらはいずれもECSにて熊谷分類Type 2を呈したことから,PCS・MSS陽性例ではECSがINとSCCの鑑別に寄与する可能性が示唆された.

参考文献

1)日本食道学会(編).臨床・病理食道癌取扱い規約,第10版.金原出版,2007
2)日本食道学会(編).臨床・病理食道癌取扱い規約,第11版.金原出版,2015
3)熊谷洋一,川田研郎,田久保海誉.超拡大内視鏡(Type分類).胃と腸 54:580-581, 2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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