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文献詳細

雑誌文献

胃と腸57巻4号

2022年04月発行

文献概要

今月の主題 予後不良な早期消化管癌 主題

予後不良な早期消化管癌の病理組織学的特徴—食道癌

著者: 藤原美奈子12 川床慎一郎2 井星陽一郎3 隅田頼信4 吉村大輔3 原田直彦3 小田義直2

所属機関: 1九州医療センター病理診断科 2九州大学大学院医学研究院形態機能病理学 3九州医療センター消化器内科 4北九州市立医療センター消化器内科

ページ範囲:P.355 - P.363

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要旨●食道表在癌すなわち食道T1癌は近年,積極的に内視鏡的切除が行われるようになった.「食道癌診療ガイドライン」ならびに2020年に策定された「食道癌に対するESD/EMRガイドライン」,また諸家の報告から,内視鏡的切除標本の病理組織学的診断において追加治療の観点から重要な病理組織学的所見が明らかとなった.すなわち,癌の組織型,深達度,脈管侵襲の有無,浸潤様式は内視鏡的切除後の追加治療の重要な観察項目であり,病理医は上記項目について十分注意して正確に診断する必要がある.

参考文献

1)日本食道学会(編).食道癌診療ガイドライン,2017年版.金原出版,2017
2)石原立,有馬美和子,飯塚敏郎,他.食道癌に対するESD/EMRガイドライン.Gastroenterol Endosc 62:221-271, 2020
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9)立石陽子,根本哲生,比島恒和,他.切除標本の病理診断—特に追加治療の判断材料としての病理診断.胃と腸 46:579-586, 2011
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11)Tsuchihashi K, Arita S, Fujiwara M, et al. Metastatic esophageal carcinosarcoma comprising neuroendocrine carcinoma, squamous cell carcinoma, and sarcoma:A case report. Medicine(Baltimore) 97:e12796, 2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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