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文献詳細

雑誌文献

胃と腸57巻5号

2022年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 検査法・手技 胃

拡大観察(倍率と分解能,観察法)

著者: 八尾建史1

所属機関: 1福岡大学筑紫病院内視鏡部

ページ範囲:P.504 - P.505

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倍率とmagnifying ratio分解能(resolution)
 内視鏡先端に固体撮像素子を装着し,得られた電気信号の画像処理を行いモニターに表示する電子内視鏡の時代になったため,拡大内視鏡の倍率と分解能について内視鏡医も知っておく必要がある.拡大倍率については,絶対的な拡大倍率という概念は存在せず,あくまで相対的な指標である.具体的には,“10mmの対象病変が,内視鏡システムのモニター上に100mmの大きさに表示されると,拡大倍率は10倍である”と表現される(Fig.1)1).モニターのサイズが倍になると拡大倍率は20倍になる.
 したがって,拡大倍率は科学的には再現性に乏しい指標であるので,拡大内視鏡によりどれくらい小さいものが観察できるかを表現するには,分解能を用いることが適切である.分解能の定義は,“一定の距離でどれだけ小さい対象が明瞭に観察できるか”である.また,最大分解能の定義は,“内視鏡の最大の光学的拡大倍率を用い,焦点が合うぎりぎりに近接したときに観察できる最小の大きさ”である.

参考文献

1)八尾建史.第3章電子内視鏡の拡大倍率と分解能.八尾建史.胃拡大内視鏡.日本メディカルセンター,pp 27-30, 2009
2)八尾建史.第2章胃拡大内視鏡観察法.八尾建史.動画で学ぶ胃拡大内視鏡テクニック.日本メディカルセンター,pp 13-18, 2012
3)八尾建史.拡大内視鏡画像の成り立ち—胃の画像強調併用拡大内視鏡.胃と腸 53:1280-1286, 2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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