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文献詳細

雑誌文献

胃と腸57巻5号

2022年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 検査法・手技 腸

カプセル内視鏡

著者: 澤田つな騎1 山村健史2 中村正直2

所属機関: 1名古屋大学医学部附属病院光学医療診療部 2名古屋大学大学院医学系研究科消化器内科学

ページ範囲:P.512 - P.512

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 カプセル内視鏡(capsule endoscopy ; CE)は,小型のカプセル型の内視鏡で,被検者が嚥下し,蠕動運動により消化管を輸送される間に撮影が行われ,内部の画像を提供する機器である.本邦で保険収載されているCEは,小腸用として,① PillCamTM SB3(Medtronic社製),② ENDOCAPSULE EC-S10(オリンパス社製),③ CapsoCam Plus®(CapsoVision社製)の3種類があり,大腸用としてPillCam® COLON2(Medtronic社製)がある.
 小腸CEの保険適用はもともと,“上部および下部消化管の検査を行っても原因不明の消化管出血を伴う患者”であったが,消化管の開通性を評価するためのデバイスであるPillCamTM patency capsule(Medtronic社製)が認可されて以降,PillCamTM SB3に関しては,“小腸疾患が既知または疑われる患者”ほぼすべてに適応拡大された1).そのため現在では,対象症例は小腸出血(Fig.1)のみならず,小腸の炎症性疾患や,腫瘍・ポリープなど,多岐にわたる.大腸CEの適応は大腸内視鏡検査が必要であるが,大腸ファイバースコピーの盲腸までの挿入が困難であった場合や困難が予測される場合,また,身体的負担により大腸ファイバースコピーが実施困難な場合などである2)

参考文献

1)Yamamoto H, Ogata H, Matsumoto T, et al. Clinical Practice Guideline for Enteroscopy. Dig Endosc 29:519-546, 2017
2)藤田朋紀,根本大樹,冨樫一智,他.大腸カプセルup to date. Gastroenterol Endosc 60:2369-2376, 2018
3)寺野彰(監),日本カプセル内視鏡研究会(編).カプセル内視鏡スタンダードテキスト,南江堂,pp 11-14, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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