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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 画像所見 食道
表皮化,過角化,錯角化
著者: 前田有紀1 小野裕之1 下田忠和2
所属機関: 1静岡県立静岡がんセンター内視鏡科 2静岡県立静岡がんセンター病理診断科
ページ範囲:P.520 - P.521
文献購入ページに移動食道のepidermizationは,表皮化生(epidermoid metaplasia)とも称される良性の非腫瘍性病変である.食道の重層扁平上皮は皮膚と異なり,通常は角化を示さない1)〜3).epidermizationは重層扁平上皮の表層に厚い角質層を有し,角質層の下にケラトヒアリン顆粒を有する顆粒層を伴う(Fig.1a).この組織構築は皮膚表皮に類似する.epidermizationの形成には慢性炎症の関与が示唆されているが,現在のところ一定の見解は得られていない1)2).
内視鏡観察では,白色調で丈の低い扁平隆起を呈し,血管はほとんど視認できない1)2)(Fig.1b).表面は毛羽だった鱗状,あるいはほぼ平坦な性状で,境界は明瞭である2)(Fig.1c).ヨード染色は淡染〜不染を呈する2)(Fig.1d).
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