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文献詳細

雑誌文献

胃と腸57巻5号

2022年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 画像所見 食道

表皮化,過角化,錯角化

著者: 前田有紀1 小野裕之1 下田忠和2

所属機関: 1静岡県立静岡がんセンター内視鏡科 2静岡県立静岡がんセンター病理診断科

ページ範囲:P.520 - P.521

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表皮化(epidermization)
 食道のepidermizationは,表皮化生(epidermoid metaplasia)とも称される良性の非腫瘍性病変である.食道の重層扁平上皮は皮膚と異なり,通常は角化を示さない1)〜3).epidermizationは重層扁平上皮の表層に厚い角質層を有し,角質層の下にケラトヒアリン顆粒を有する顆粒層を伴う(Fig.1a).この組織構築は皮膚表皮に類似する.epidermizationの形成には慢性炎症の関与が示唆されているが,現在のところ一定の見解は得られていない1)2)
 内視鏡観察では,白色調で丈の低い扁平隆起を呈し,血管はほとんど視認できない1)2)(Fig.1b).表面は毛羽だった鱗状,あるいはほぼ平坦な性状で,境界は明瞭である2)(Fig.1c).ヨード染色は淡染〜不染を呈する2)(Fig.1d).

参考文献

1)岩上裕吉,石原立,河野光泰,他.食道良性腫瘍および腫瘍様病変の診断—過角化,錯過角化,表皮化.胃と腸 55:282-285, 2020
2)江副康正,武藤学,藤井誠志.食道epidermizationの2例.胃と腸 43:296-300, 2008
3)根本哲生.hyperkeratosis,hyperparakeratosis.胃と腸 52:704, 2017
4)村脇義之,三浦将彦,吉村禎二,他.初期病変の形態変化を観察しESDで切除し得た食道verrucous carcinomaの1例.Gastroenterol Endosc 58:1149-1154, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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