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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 画像所見 食道
melanosis
著者: 熊谷洋一1
所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター消化管・一般外科
ページ範囲:P.529 - P.529
文献購入ページに移動 食道melanosisは,白色光通常観察では茶褐色〜黒色の平坦な色素斑として描出され,濃淡を有し,境界は一般的に不明瞭である(Fig.1a,b).病理組織学的には基底層を主座に食道粘膜上皮への黒褐色のメラニン色素沈着が特徴である1)(Fig.1c).
食道melanosisを発症する患者は,ALDH2(aldehyde dehydrogenase 2)ヘテロ欠損者の多量飲酒など,食道扁平上皮癌と共通する背景を有する.そのため,内視鏡検査時にmelanosisを発見した場合,食道癌の高危険群であることを念頭に置いて食道を観察しなくてはならない2)(Fig.1d).
食道melanosisを発症する患者は,ALDH2(aldehyde dehydrogenase 2)ヘテロ欠損者の多量飲酒など,食道扁平上皮癌と共通する背景を有する.そのため,内視鏡検査時にmelanosisを発見した場合,食道癌の高危険群であることを念頭に置いて食道を観察しなくてはならない2)(Fig.1d).
参考文献
1)北村陽子,池田大輔,三宅隼人,他.食道良性腫瘍および腫瘍様病変の診断—メラノーシス.胃と腸 55:305-307, 2020
2)横山顕.食道表在癌の危険因子.胃と腸 46:561-570, 2011
3)竹内学,高橋亜紀子,小山恒男,他.食道悪性黒色腫とmelanosisの鑑別診断—特に平坦病変について.胃と腸 54:1377-1388, 2019
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