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文献詳細

雑誌文献

胃と腸57巻5号

2022年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 画像所見 食道

Type R血管

著者: 竹内学1

所属機関: 1長岡赤十字病院消化器内科

ページ範囲:P.531 - P.531

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 Arimaら1)は2005年に表在型食道扁平上皮癌に対する拡大内視鏡による微細血管パターン分類で,T1a-LPM以深癌で出現する乳頭から逸脱する不整血管をtype 4と命名し,その亜分類においてちりちりとした網状の血管パターンをtype 4R(reticular)とした.癌にはbulkyな胞巣を形成する膨張性発育のみでなく,細かな胞巣でバラバラに浸潤するINFcを示すものも存在する.このtype 4R血管は分化度が低く,INFc浸潤を呈する病変や特殊組織型癌の一部を反映するとされた.また,2011年に提唱された日本食道学会拡大内視鏡分類において,ループ形成に乏しい異常血管B2の中で不規則で細かい網状(reticular ; R)血管を認める場合にRと付記することになった(Type B2-R)2)
 その後の有馬ら3)の検討では,Type R血管は血管密度が低く,極めて細いちりちりした網状の形態を示すことなどから,通常観察では褪色調の領域を作る場合が多いとされるため,観察時にはこのような色調変化にも留意するのが重要と考える.

参考文献

1)Arima M, Tada M, Arima H. Evaluation of microvascular patterns of superficial esophageal cancers by magnifying endoscopy. Esophagus 2:191-197, 2005
2)Oyama T, Momma K. Summaries from the 65th Annual Meeting of the Japan Esophageal Society on September 26, 2011, Sendai. Esophagus 8:247-251, 2011
3)有馬美和子,都宮美華,吉井貴子,他.日本食道学会拡大内視鏡分類と深達度—Type R血管と組織像.胃と腸 49:213-221, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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