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文献詳細

雑誌文献

胃と腸57巻5号

2022年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 画像所見 胃:白色光通常観察

腸上皮化生

著者: 上尾哲也1 都甲和美2

所属機関: 1大分赤十字病院消化器内科 2大分大学医学部附属病院消化器内科

ページ範囲:P.536 - P.536

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 腸上皮化生は,H. pylori慢性胃炎により胃粘膜が吸収上皮である小腸上皮の特徴を持つ粘膜に変化した状態で,分化型胃癌のリスク因子として重要である.通常観察(白色光)による腸上皮化生の典型像は,萎縮性胃炎を背景に,主に幽門前庭部に観察される灰白色扁平隆起の石畳状配列から成る所見である(Fig.1a).いわゆる横山・竹本ら1)の特異型腸上皮化生と呼称されるものであり,このような特異型腸上皮化生は萎縮性胃炎の進展に伴い胃体部にも拡がる.しかし,通常観察(白色光)のみでは組織学的腸上皮化生の診断能に限界があり,現在では画像強調内視鏡を用いた評価が推奨されている.Uedoら2)が報告したNBI併用拡大観察によるLBC(light blue crest)は腸上皮化生の刷子縁を反映し,Yaoら3)が報告したWOS(white opaque substance)は腸上皮化生が吸収した脂肪滴を反映しており,これらの所見を用いた腸上皮化生の診断が有用である.LBC,WOSについては他項も参照されたい.

参考文献

1)横山泉,竹本忠良,木村健.腸上皮化生の内視鏡診断.胃と腸 6:869-874, 1971
2)Uedo N, Ishihara R, Iishi H, et al. A new method of diagnosing gastric intestinal metaplasia:narrow-band imaging with magnifying endoscopy. Endoscopy 38:819-824, 2006
3)Yao K, Iwashita A, Tanabe H, et al. White opaque substance within superficial elevated gastric neoplasia as visualized by magnification endoscopy with narrow-band imaging:a new optical sign for differentiating between adenoma and carcinoma. Gastrointest Endosc 68:574-580, 2008
4)Togo K, Ueo T, Yao K, et al. White opaque substance visualized by magnifying narrow-band imaging is associated with intragastric acid conditions. Endosc Int Open 6:E830-837, 2018
5)上尾哲也,勝田真琴,都甲和美,他.胃酸環境の観点から検討した地図状発赤・MPEの臨床的意義—地図状発赤・MPEの出現は除菌後の胃酸回復に影響を受けている.日消誌 116(Suppl):A750, 2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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