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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 画像所見 胃:白色光通常観察
鳥肌胃炎
著者: 鎌田智有1 村尾高久1
所属機関: 1川崎医科大学健康管理学
ページ範囲:P.537 - P.537
文献購入ページに移動 鳥肌胃炎とは内視鏡検査であたかも鶏の毛をむしり取った後の皮膚のように,胃粘膜に均一な小結節状隆起が密集して認められるものを意味し,1963年に竹本ら1)は20歳の女性の胃内視鏡所見で初めて“とりはだ”という用語を用いた.この所見は幽門前庭部〜胃角部に観察されることが多いが,噴門部2)や食道胃接合部の胃側粘膜にも認められることもある.小児や若年者のH. pylori感染例ではほぼ必発する所見であるが,この所見が確認されたら若年者であっても胃体部の未分化型胃癌の合併を念頭に置く必要がある3).また,Helicobacter suis感染により発生することがある.
参考文献
1)竹本忠良,水野美淳.慢性胃炎の胃鏡診断と胃生検.Gastroenterol Endosc 4:310-319, 1963
2)Toyoshima O, Nishizawa T, Sakitani K, et al. Nodularity-like appearance in the cardia:novel endoscopic findings for Helicobacter pylori infection. Endosc Int Open 8:E770-774, 2020
3)Kamada T, Tanaka A, Yamanaka Y, et al. Nodular gastritis with Helicobacter pylori infection is strongly associated with diffuse-type gastric cancer in young patients. Dig Endosc 19:180-184, 2007
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