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文献概要
増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 画像所見 胃:白色光通常観察
クッションサイン
著者: 南出竜典1 小野裕之1
所属機関: 1静岡県立静岡がんセンター内視鏡科
ページ範囲:P.539 - P.539
文献購入ページに移動 cushion signとは,内視鏡下で鉗子を用いて病変を圧迫した際,あたかもクッションを押した際のように軟らかく凹み,圧迫を解除すると元の形態に戻る所見のことを指す(Fig.1,2)1).なお,1975年にDe BeerとShinyaによって初めて用いられた用語で,“pillow sign”とも言う2).cushion signは,特に,粘膜下腫瘍(submucosal tumor ; SMT)の鑑別において有用かつ簡便に確認できる所見の一つである.cushion sign陽性であれば脂肪腫,異所性膵,リンパ管腫,囊胞など,逆にcushion sign陰性であればGIST(gastrointestinal stromal tumor)や平滑筋腫といった間葉系腫瘍,カルチノイド,癌,悪性リンパ腫などが鑑別に挙げられる.
参考文献
1)細谷和也,小野裕之.クッションサイン.胃と腸 52:594, 2017
2)De Beer RA, Shinya H. Colonic lipomas. An endoscopic analysis. Gastrointest Endosc 22:90-91, 1975
3)日本消化器内視鏡学会用語委員会(編).消化器内視鏡用語集,第4版.医学図書出版,pp 90-91, 2018
4)大谷吉秀,小澤壯治,古川俊治,他.消化管粘膜下腫瘍の診断戦略.胃と腸 39:467-474, 2004
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