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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 画像所見 胃:白色光通常観察
耳介様周堤
著者: 中村昌太郎12
所属機関: 1国際医療福祉大学医学部消化器内科 2高邦会高木病院消化器センター
ページ範囲:P.540 - P.540
文献購入ページに移動潰瘍形成を伴う消化管腫瘍において,潰瘍辺縁に認める不整所見のない健常粘膜に覆われた幅の狭い隆起部分を耳介様周堤と呼称する.その形状が耳介の耳輪に類似していることに由来する.
一般に,耳介様周堤は分化型癌ではみられず,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma ; DLBCL)などの高悪性度リンパ腫に特徴的な所見である(Fig.1,2)1)2).しかし,低分化腺癌やリンパ球浸潤胃癌などの未分化型癌でも耳介様周堤を呈することがあるので,留意する必要がある.また,腸管Behçet病または単純性潰瘍やサイトメガロウイルス感染腸炎などでみられる打ち抜き様潰瘍でも,同様の周堤が観察されることがあるが,本用語は通常,腫瘍性病変に限定して使用される.
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