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文献詳細

雑誌文献

胃と腸57巻5号

2022年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 画像所見 胃:白色光通常観察

耳介様周堤

著者: 中村昌太郎12

所属機関: 1国際医療福祉大学医学部消化器内科 2高邦会高木病院消化器センター

ページ範囲:P.540 - P.540

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定義
 潰瘍形成を伴う消化管腫瘍において,潰瘍辺縁に認める不整所見のない健常粘膜に覆われた幅の狭い隆起部分を耳介様周堤と呼称する.その形状が耳介の耳輪に類似していることに由来する.
 一般に,耳介様周堤は分化型癌ではみられず,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma ; DLBCL)などの高悪性度リンパ腫に特徴的な所見である(Fig.1,2)1)2).しかし,低分化腺癌やリンパ球浸潤胃癌などの未分化型癌でも耳介様周堤を呈することがあるので,留意する必要がある.また,腸管Behçet病または単純性潰瘍やサイトメガロウイルス感染腸炎などでみられる打ち抜き様潰瘍でも,同様の周堤が観察されることがあるが,本用語は通常,腫瘍性病変に限定して使用される.

参考文献

文献
1)中村昌太郎,松本主之.びまん性大細胞型B細胞リンパ腫.胃と腸 47:750, 2012
2)梁井俊一,中村昌太郎,川崎啓祐,他.小腸腫瘍性病変の内視鏡診断—リンパ増殖性疾患の診断.胃と腸 55:637-645, 2020
参考文献
1)中村昌太郎,松本主之.消化管悪性リンパ腫の診断と治療.Gastroenterol Endosc 56:3599-3606, 2014
2)中村昌太郎,松本主之.耳介様周堤(リンパ腫).胃と腸 52:599, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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