文献詳細
文献概要
増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 画像所見 腸
萎縮瘢痕帯
著者: 鳥巣剛弘1 川崎啓祐1
所属機関: 1九州大学大学院医学研究院病態機能内科学
ページ範囲:P.559 - P.559
文献購入ページに移動 萎縮瘢痕帯は1977年に白壁ら1)が“潰瘍瘢痕を伴う萎縮帯”と呼んだ表現を縮めた用語で,腸結核に特徴的かつ特異性の高い所見である.腸結核の病変が線状・帯状に配列し,慢性疾患でありながらも易治癒性を示すことを反映している.正常の大腸粘膜が区域性に荒廃し,内部に多数の瘢痕,腸結核に特徴的な潰瘍や炎症性ポリープなどの病変を有する.
X線造影所見(Fig.1)では区域性に正常の大腸構造であるfine network patternが消失した粗糙粘膜で,大腸ではhaustra,小腸ではKerckring皺襞の部分的消退,変形,消失を認め,ひだは一部が残存していることが多いとされている2).また,内部に多発する潰瘍瘢痕,炎症性ポリープや偽憩室などで構成された区域性の病変を有する.
X線造影所見(Fig.1)では区域性に正常の大腸構造であるfine network patternが消失した粗糙粘膜で,大腸ではhaustra,小腸ではKerckring皺襞の部分的消退,変形,消失を認め,ひだは一部が残存していることが多いとされている2).また,内部に多発する潰瘍瘢痕,炎症性ポリープや偽憩室などで構成された区域性の病変を有する.
参考文献
1)白壁彦夫,吉川保雄,織田貫爾,他.大腸結核のX線診断.胃と腸 12:1597-1622, 1977
2)八尾恒良.腸結核診断の現状と問題点.胃と腸 52:137-144, 2017
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