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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 画像所見 腸
アフタ,アフタ様潰瘍
著者: 髙津典孝1 八尾建史2
所属機関: 1福岡大学筑紫病院炎症性腸疾患センター 2福岡大学筑紫病院内視鏡部
ページ範囲:P.561 - P.561
文献購入ページに移動腸病変においてアフタという用語が使用され始めたのは,1976年に吉川ら3)が大腸内視鏡検査で口内のアフタ(aphtha)に似た病変が大腸粘膜にびまん性に多発している症例を“アフタ様大腸炎”と報告したことを嚆矢とする.ここでは小びらんが“アフタ様”であるとされた.その後,Crohn病(Crohn's disease ; CD)の初期病変としてアフタ様病変が着目され始めたのを皮切りに,諸家により盛んに“アフタ”という用語が用いられ始めたが,紅暈の有無や粘膜欠損の有無,粘膜欠損の大きさなどに関し統一された定義はなく,さらにアフタ様びらん,アフタ様潰瘍なる所見用語も存在し,アフタという用語の定義は一定していない.いずれ学会などで用語の定義を統一する必要があるが,以下においては,便宜上,アフタ,アフタ様潰瘍,アフタ様びらんは,ほぼ同じ所見を指し示すものとして一括して“アフタ様病変”と呼称し,その定義は,単なるびらんや潰瘍と区別するために“しばしば紅暈を伴う5mm以下の小潰瘍またはびらん”とする.
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