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文献詳細

雑誌文献

胃と腸57巻5号

2022年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 疾患 食道

表在型中・下咽頭癌

著者: 菊池大輔1 田中匡実1

所属機関: 1虎の門病院消化器内科

ページ範囲:P.562 - P.563

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 表在型咽頭癌は扁平上皮癌であり,内視鏡像は表在型食道癌に類似する.表在型咽頭癌を効率よく発見するためには高リスクの症例を適切に拾い上げることが重要である.また,咽頭・喉頭領域は解剖学的に複雑であり,定点的な内視鏡観察が重要である.
 筆者らの高リスク患者に対する撮影方法は以下の通りである.まずは口腔底から舌の撮影をする.この際,撮影しづらいためマウスピースは使用しない.患者に舌を丸めるように指示し,口腔底を撮影する.そして,左右の頰部に舌先端を付けるように指示し,左右の舌縁を観察する.次いで,マウスピースを噛んでもらい硬口蓋から観察する.軟口蓋,口蓋垂,左右の口蓋弓を撮影する.そして,中咽頭後壁,左右の側壁,下咽頭正中および左右の梨状陥凹を撮影し,喉頭蓋谷を観察する.咽頭観察の際は,“イー”と発声してもらうと,声帯が狭まり梨状陥凹が拡がるため観察がしやすくなる.そして,最後にValsalva法1)を行い,下咽頭後壁から輪状後部の観察をする(Fig.1).発声やValsalva法など患者の協力が必要となることが多いため鎮静薬を使用するのではなく,塩酸ペチジンのような鎮痛薬を使用して観察する.

参考文献

1)Kikuchi D, Tanaka M, Suzuki Y, et al. Utility of Valsalva maneuver in the endoscopic pharyngeal observation. Esophagus 17:323-329, 2020
2)Muto M, Minashi K, Yano T, et al. Early detection of superficial squamous cell carcinoma in the head and neck region and esophagus by narrow band imaging:a multicenter randomized controlled trial. J Clin Oncol 28:1566-1572, 2010
3)Kikuchi D, Iizuka T, Yamada A, et al. Utility of magnifying endoscopy with narrow band imaging in determining the invasion depth of superficial pharyngeal cancer. Head Neck 37:846-850, 2015
4)Oyama T, Inoue H, Arima M, et al. Prediction of the invasion depth of superficial squamous cell carcinoma based on microvessel morphology:magnifying endoscopic classification of the Japan Esophageal Society. Esophagus 14:105-112, 2017
5)Katada C, Muto M, Fujii S, et al. Transoral surgery for superficial head and neck cancer:National Multi-Center Survey in Japan. Cancer Med 10:3848-3861, 2021

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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