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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 疾患 食道
Barrett食道腺癌(SSBE)
著者: 高橋宏明1 小平純一1
所属機関: 1恵佑会第2病院消化器内科
ページ範囲:P.572 - P.573
文献購入ページに移動 食道腺癌は本邦ではいまだ少ないものの微増傾向にある.LSBE(long-segment Barrett's esophagus)由来のBarrett食道腺癌が多くを占める欧米とは異なり,本邦ではSSBE(short-segment Barrett's esophagus)由来のBarrett食道腺癌が多い.
SSBE由来Barrett食道腺癌は,扁平上皮円柱上皮境界直下の前壁〜右壁に発生し,隆起単純型を呈し,分化型腺癌であることが多い1).範囲診断には特にNBI併用拡大内視鏡観察が有用とされ,日本食道学会拡大内視鏡分類が用いられている.通常観察,NBI観察で病変の全体像を確認し(Fig.1a,b),その後弱拡大像で粘膜パターンを観察する.形状不均一,大小不同,配列の不規則性が認められれば腫瘍と診断する(Fig.1c).粘膜パターンが視認できない場合でも強拡大像で血管パターンを確認し,形状不均一,口径不同などの所見が認められたら腫瘍と診断する(Fig.1d).また,扁平上皮円柱上皮境界に接する病変では扁平上皮下に癌が進展していることが多く,これに対する診断が重要とされている2).
SSBE由来Barrett食道腺癌は,扁平上皮円柱上皮境界直下の前壁〜右壁に発生し,隆起単純型を呈し,分化型腺癌であることが多い1).範囲診断には特にNBI併用拡大内視鏡観察が有用とされ,日本食道学会拡大内視鏡分類が用いられている.通常観察,NBI観察で病変の全体像を確認し(Fig.1a,b),その後弱拡大像で粘膜パターンを観察する.形状不均一,大小不同,配列の不規則性が認められれば腫瘍と診断する(Fig.1c).粘膜パターンが視認できない場合でも強拡大像で血管パターンを確認し,形状不均一,口径不同などの所見が認められたら腫瘍と診断する(Fig.1d).また,扁平上皮円柱上皮境界に接する病変では扁平上皮下に癌が進展していることが多く,これに対する診断が重要とされている2).
参考文献
1)藤崎順子,大前雅実,清水智樹,他.表在型Barrett食道癌の内視鏡診断—拾い上げ診断.胃と腸 51:1299-1310, 2016
2)小山恒男,高橋亜紀子,依光展和,他.表在型Barrett食道癌の側方進展範囲診断.胃と腸 51:1322-1332, 2016
3)井上貴裕,石原立,櫻井裕久,他.表在型Barrett食道腺癌内視鏡的切除術後の長期予後—SSBEを中心に.胃と腸 56:187-195, 2021
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