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文献詳細

雑誌文献

胃と腸57巻5号

2022年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 疾患 食道

Barrett食道腺癌(LSBE)

著者: 高橋亜紀子1 小山恒男1

所属機関: 1佐久医療センター内視鏡内科

ページ範囲:P.574 - P.575

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 SSBE(short-segment Barrett's esophagus)に由来の腺癌は0〜3時方向に好発するのに対し,LSBE(long-segment Barrett's esophagus)に発生する腺癌はどの方向にも発生し,多発することが多い.また,0-IIb型進展も多く,側方進展範囲診断が難しい.筆者らの検討では,通常観察(白色光)での側方進展範囲診断の正診率はSSBE群で56%,LSBE群で7%と有意差を認めた.この原因として,主肉眼型が0-IIb型であった症例の割合がSSBE群では15%であったのに対して,LSBE群では40%と多かったこと,および0-IIb型または0-IIb型を合併した割合がSSBE群では51%であったのに対して,LSBE群では89%と,LSBE群では0-IIb型合併率がより高いことが挙げられた.一方,拡大内視鏡による側方進展範囲診断はSSBE群で96%,LSBEで100%と差はなく,拡大内視鏡検査の有用性が示唆された1)
 通常観察(白色光)ではまず発赤に,NBI(narrow band imaging)観察ではBA(brownish area)に着目して病変を拾い上げる.その後,日本食道学会拡大内視鏡(JES-BE)分類2)3)を用いてNBI拡大観察を行う.弱拡大観察にて表面構造(pit,non-pit)の整・不整を観察し,整の場合は非腫瘍と診断する.表面構造が不整およびuncertain(表面構造が確認できない)の場合はさらに拡大率を上げて血管構造(net,non-net)の整・不整の判断を行う.整の場合は非腫瘍,不整の場合は腫瘍と診断する.

参考文献

1)小山恒男,高橋亜紀子,依光展和,他.表在型Barrett食道癌の側方進展範囲診断.胃と腸 51:1322-1332, 2016
2)小山恒男,高橋亜紀子,福山知香.Barrett食道腺癌の内視鏡診断.消内視鏡 30:1692-1694, 2018
3)Goda K, Fujisaki J, Ishihara R, et al. Newly developed magnifying endoscopic classification of the Japan Esophageal Society to identify superficial Barrett's esophagus-related neoplasms. Esophagus 15:153-159, 2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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