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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 疾患 食道
食道胃接合部癌
著者: 田中一平1 平澤大1
所属機関: 1仙台厚生病院消化器内科
ページ範囲:P.576 - P.576
文献購入ページに移動 食道胃接合部癌の定義は本邦と欧米で異なる.欧米ではSiewert分類を用いて,“食道胃接合部(esophagogastric junction ; EGJ)から食道側1cm,胃側2cm以内に癌の中心がある腺癌”,つまりType II(true cardia cancer)を狭義の食道胃接合部癌としている.一方,本邦では西分類に従い,“病理組織型にかかわらず,EGJの上下2cm以内に癌腫の中心があるものを食道胃接合部癌”と,食道癌取扱い規約で定義されている(Fig.1)1).すなわち,食道胃接合部癌には,Barrett食道腺癌,胃噴門部癌,非Barrett食道腺癌,食道扁平上皮癌などが含まれる.かつては本邦で比較的まれとされた食道胃接合部癌だが,近年はH. pylori(Helicobacter pylori)感染率の低下や食生活の欧米化に伴い,緩徐に増加傾向にある2).
参考文献
1)日本食道学会(編).食道癌取扱い規約,第11版.金原出版,2015
2)Matsuno K, Ishihara R, Ohmori M, et al. Time trends in the incidence of esophageal adenocarcinoma, gastric adenocarcinoma, and superficial esophagogastric junction adenocarcinoma. J Gastroenterol 54:784-791, 2019
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