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文献詳細

雑誌文献

胃と腸57巻5号

2022年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 疾患 食道

verrucous carcinoma

著者: 高橋宏明1 大内知之2

所属機関: 1恵佑会第2病院消化器内科 2恵佑会札幌病院病理診断科

ページ範囲:P.578 - P.579

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 食道verrucous carcinomaは扁平上皮癌の一亜型とされるまれな疾患である.発育が緩徐で特徴的な形態を示すが,病理組織学的には高分化で異型が乏しい点などから生検での確定診断が困難で,食道カンジダ症や炎症などの良性疾患と誤診され,長期間にわたり経過観察されてしまうことも少なくない.まずこの病態を認識しているか否かが正しい診断への重要なポイントとなる.
 初発症状は嚥下障害が多く,既往にアカラシア,逆流性食道炎などを有する症例もある.半数以上は当初良性疾患と診断され,多くは5cm以上とかなり大きくなった段階でverrucous carcinomaと診断されている1)

参考文献

1)Tabuchi S, Koyanagi K, Nagata K, et al. Verrucous carcinoma of the esophagus:a case report and literature review. Surg Case Rep 6:35, 2020
2)佐藤千晃,谷山裕亮,櫻井直,他.食道に発生したverrucous carcinoma.胃と腸 54:1439-1441, 2019
3)Taniyama Y, Fujishima F, Takubo K, et al. A case of verrucous carcinoma of the esophagus associated with difficult histopathological diagnosis of endoscopic biopsy specimens. Esophagus 9:223-227, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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