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文献詳細

雑誌文献

胃と腸57巻5号

2022年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 疾患 食道

食道リンパ増殖性疾患

著者: 高橋亜紀子1 小山恒男1

所属機関: 1佐久医療センター内視鏡内科

ページ範囲:P.580 - P.581

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 食道悪性リンパ腫の発生頻度は極めてまれで1%未満である1).リンパ腫は一般的にリンパ網内系の豊富な部位に発生しやすいが,正常な食道壁は他の消化管に比較し,リンパ濾胞などのリンパ網内系組織が少ないことが知られており,このことが食道に悪性リンパ腫が少ない原因の一つと考えられる.
 食道悪性リンパ腫のうち,MALT(mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫は低悪性度B細胞性リンパ腫で,粘膜下腫瘍(submucosal tumor ; SMT)様隆起,巨木様隆起を呈し軟らかいことが特徴である.確定診断には生検が有用だが,粘膜下層から組織を採取する必要があり,時にボーリング生検を要する.

参考文献

1)Herrmann R, Panahon AM, Barcos MP, et al. Gastrointestinal involvement in non-Hodgkin's lymphoma. Cancer 46:215-222, 1980
2)小山恒男,高橋亜紀子.食道の悪性リンパ腫.胃と腸 49:820-822, 2014
3)小山恒男,高橋亜紀子,福山知香,他.悪性リンパ腫.胃と腸 54:1428-1433, 2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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