文献詳細
文献概要
増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 疾患 食道
食道炎症性疾患(感染症等)
著者: 前田有紀1 小野裕之1 下田忠和2
所属機関: 1静岡県立静岡がんセンター内視鏡科 2静岡県立静岡がんセンター病理診断科
ページ範囲:P.583 - P.583
文献購入ページに移動HSV食道炎は,三叉神経の神経細胞に潜伏感染しているHSVが,免疫抑制状態において再活性化し,唾液中に排泄されて食道粘膜に感染し,発症すると考えられている.内視鏡像は経時的に変化する.HSVが食道上皮に感染すると,上皮細胞の結合性が消失し,水疱が形成される.水疱が破裂すると浅い小潰瘍となる(Fig.1).境界明瞭で辺縁隆起がやや目立つ特徴的な形態の潰瘍で,volcano ulcersと称される1).小潰瘍が癒合すると帯状/地図状の潰瘍を形成する.時相の異なる病変が同時に存在することもHSV食道炎の特徴である2).胸部食道に多く,口腔や咽頭に病変を併存する場合もある.
参考文献
掲載誌情報