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文献詳細

雑誌文献

胃と腸57巻5号

2022年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 疾患 食道

薬剤起因性食道炎

著者: 小野陽一郎1 八尾建史2

所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器内科 2福岡大学筑紫病院内視鏡部

ページ範囲:P.592 - P.592

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定義
 薬剤起因性食道炎は,薬剤性の食道粘膜傷害であり,主に原因薬剤の食道内停滞による粘膜への直接作用によって生じる.また,患者側の要因として,服用時の体位,服薬方法,食道の狭窄,食道の運動機能異常など,薬剤が食道内に長時間停滞する状況が挙げられる.
 薬剤起因性食道炎は,古くから知られており,テトラサイクリン系に代表される抗菌薬やカリウム製剤,非ステロイド性抗炎症薬(nonsteroidal anti-inflammatory drugs ; NSAIDs),低用量アスピリン,鉄剤,抗癌薬,ビスホスホネート薬など多種薬剤による報告がなされている1).近年では直接作用型経口抗凝固薬として使用頻度が増加しているダビガトランによる報告例も散見されるようになった2)

参考文献

1)Kikendall JW, Friedman AC, Oyewole MA, et al. Pill-induced esophageal injury. Case reports and review of the medical literature. Dig Dis Sci 28:174-182, 1983
2)Toya Y, Nakamura S, Tomita K, et al. Dabigatran-induced esophagitis:The prevalence and endoscopic characteristics. J Gastroenterol Hepatol 31:610-614, 2016
3)Abid S, Mumtaz K, Jafri W, et al. Pill-induced esophageal injury:endoscopic features and clinical outcomes. Endoscopy 37:740-744, 2005
4)池園剛,小野陽一郎,石川智士,他.ビスホスホネート製剤(アレンドロン酸ナトリウム)による食道潰瘍の1例.胃と腸 55:917-921, 2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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