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文献詳細

雑誌文献

胃と腸57巻5号

2022年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 疾患 胃

Helicobacter pylori胃炎

著者: 鎌田智有1 勝又諒1

所属機関: 1川崎医科大学健康管理学

ページ範囲:P.598 - P.599

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 2013年にH. pylori胃炎に対する除菌治療が保険適用となり,胃内視鏡検査においては悪性腫瘍などの早期発見に加えてH. pylori胃炎の有無を的確に診断する役割がでてきた.2014年に発表された「胃炎の京都分類」1)は特徴的な19の内視鏡所見からH. pylori感染を未感染,現感染,除菌後を含む既感染に分類し,その組織学的胃炎の診断までを可能とした胃炎分類である.
 H. pylori現感染の胃粘膜では,活動性胃炎の所見であるびまん性発赤,粘膜腫脹や白濁粘液を基盤として,これに加えて慢性所見として出現頻度の高い萎縮,その他に皺襞異常(腫大・蛇行・消失),腸上皮化生,鳥肌,黄色腫,腺窩上皮過形成性ポリープなどの所見が観察されることがある2)(Fig.1〜3).病理組織学的にはリンパ球浸潤とともに好中球浸潤がみられ,慢性変化に伴う固有胃腺の萎縮や腸上皮化生を伴う,すなわち慢性活動性胃炎の状態である.

参考文献

1)春間賢(監),加藤元嗣,井上和彦,村上和成,他(編).胃炎の京都分類.日本メディカルセンター,2014
2)鎌田智有,春間賢.「胃炎の京都分類」のこれまでとこれから.Gastroenterol Endosc 62:441-456, 2020
3)Dohi O, Yagi N, Onozawa Y, et al. Linked color imaging improves endoscopic diagnosis of active Helicobacter pylori infection. Endosc Int Open 4:E800-805, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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