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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 疾患 胃
自己免疫性胃炎
著者: 鎌田智有1 砂金彩1
所属機関: 1川崎医科大学健康管理学
ページ範囲:P.600 - P.600
文献購入ページに移動 自己免疫性胃炎とは何らかの自己免疫異常に伴い壁細胞が破壊・消失し,この過程においてプロトンポンプ(H+/K+-ATPase)に対する自己抗体(抗胃壁細胞抗体)が産生される特殊型胃炎である.1973年にStricklandとMackay1)により提唱された.抗胃壁細胞抗体に加え,抗内因子抗体が産生されるため,内因子の分泌低下によりビタミンB12吸収障害を来し,晩期には悪性貧血や亜急性連合性脊髄変性症を発症することがある.また,胃癌や胃神経内分泌腫瘍の発生リスクが高いこと,甲状腺疾患などの自己免疫性多内分泌腺症候群を合併しやすいことなどが知られており,本疾患の診断後も慎重な経過観察が必要となる.
参考文献
1)Strickland RG, Mackay IR. A reappraisal of the nature and significance of chronic atrophic gastritis. Am J Dig Dis 18:426-440, 1973
2)Terao S, Suzuki S, Yaita H, et al. Multicenter study of autoimmune gastritis in Japan:clinical and endoscopic characteristics. Dig Endosc 32:364-372, 2020
3)Ayaki M, Aoki R, Matsunaga T, et al. Endoscopic and upper gastrointestinal barium X-ray radiography images of early-stage autoimmune gastritis:a report of two cases. Intern Med 60:1691-1696, 2021
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