icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸57巻5号

2022年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 疾患 胃

胃型形質の早期胃癌

著者: 福山知香1 平澤俊明2 河内洋3

所属機関: 1がん研究会有明病院上部消化管内科 2がん研究会有明病院上部消化管内科 3がん研究会有明病院臨床病理センター病理部

ページ範囲:P.606 - P.607

文献購入ページに移動
胃型形質の胃癌
 胃癌は組織分化度や異型度の他に,細胞形質によっても区別される.細胞形質は,免疫組織化学染色を用いて,①胃型形質,②腸型形質,③胃腸混合型形質,④無形質,の4型に分類することが一般的である(Table 1).病理総論的には,多くの腫瘍は発生母地を模倣する.そのため,H. pylori感染により萎縮が進み,腸上皮化生が拡がる背景粘膜からは主に腸型形質や胃腸混合型形質の癌が,萎縮の進んでいない粘膜やH. pylori未感染の正常胃粘膜からは純粋な胃型形質を示す癌が発生することが多い1).胃型形質を示す胃腫瘍は発現する形質と正常胃上皮細胞との対応によって,以下に示すカテゴリーに分類される.

参考文献

1)平澤俊明,河内洋,藤崎順子.低異型度胃型腫瘍.別冊日本臨牀領域別症候群シリーズ「消化管症候群(第3版)I」No.9.日本臨牀社,pp 237-240, 2019
2)九嶋亮治.胃型形質の低異型度分化型胃腫瘍.胃と腸 53:5-8, 2018
3)WHO Classification of Tumours Editorial Board(eds). WHO Classification of Tumours, Digestive System Tumorus, 5th ed. IARC press, Lyon, 2019
4)九嶋亮治,松原亜季子,竹村しづき,他.早期胃癌における形質発現分類の基礎的・臨床病理学的意義.胃と腸 44:486-498, 2009
5)永塚真,杉本亮,藤田泰子,他.胃:印環細胞癌.胃と腸 55:404-407, 2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?