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文献詳細

雑誌文献

胃と腸57巻5号

2022年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 疾患 胃

スキルス胃癌

著者: 長浜隆司1

所属機関: 1新東京病院消化器内科

ページ範囲:P.608 - P.608

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 元来,“スキルス”とは癌の肉眼形態や組織分類の一型を示すものではなく,病理組織学的に基質が極めて多く,癌細胞が少なく高度の線維性結合組織の増生を示す胃癌の総称である1)2)
 “スキルス胃癌”は現在,臨床的には「胃癌取扱い規約」に準じて“著明な潰瘍形成も周堤もなく,胃壁の肥厚・硬化を特徴とし,病巣と周囲粘膜との境界が不明瞭なもの”と定義され,びまん浸潤型の4型に分類されるが,他にびまん浸潤型胃癌,LP(linitis plastica)型胃癌などさまざまな呼称で用いられる.スキルスの語源は約2,500年前,ヒポクラテス(紀元前460年頃〜紀元前370年頃)が“硬い物”という意味で用いており,Laennec(1812)やMuller(1838)のころからスキルスは癌の一型として記載されるようになっている.

参考文献

1)緒方知三郎,三田村篤志郎,緒方富雄.病理學總論,下の巻.南山堂,1933
2)中村恭一,菅野晴夫,杉山憲義,他.胃硬癌の臨床的ならびに病理組織学的所見.胃と腸 11:1275-1284, 1976
3)河内洋,野田啓人,中野薫.スキルス胃癌の病理診断.胃と腸 55:770-777, 2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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