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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 疾患 胃
胃神経内分泌腫瘍
著者: 宇賀治良平1 長浜隆司1
所属機関: 1新東京病院消化器内科
ページ範囲:P.609 - P.609
文献購入ページに移動 胃神経内分泌腫瘍は低異型度・低増殖能の腫瘍性内分泌細胞から構成される低悪性度癌,すなわちカルチノイド腫瘍と,先行した管状腺癌内での内分泌細胞への分化から発生する高悪性度の内分泌細胞癌の2群に分類されている1).
カルチノイド腫瘍は,胃体部の粘膜固有層深部から粘膜下層に存在するECL細胞(enterochromaffin-like cell)を由来とした腫瘍細胞が増殖するため,白色調・黄色調・発赤調とさまざまな色調で平坦〜半球状の隆起を認め(Fig.1),増大に連れて粘膜下腫瘍(submucosal tumor ; SMT)様の形態を来し,頂部に陥凹・粘膜の欠損を伴う.陥凹境界と非腫瘍粘膜の境界には蚕食像を欠く.胃カルチノイドはRindiら2)によって背景疾患や高ガストリン血症の有無からType I〜IIIに分類され,生物学的悪性度や予後とよく相関するため臨床的に用いられることが多い.
カルチノイド腫瘍は,胃体部の粘膜固有層深部から粘膜下層に存在するECL細胞(enterochromaffin-like cell)を由来とした腫瘍細胞が増殖するため,白色調・黄色調・発赤調とさまざまな色調で平坦〜半球状の隆起を認め(Fig.1),増大に連れて粘膜下腫瘍(submucosal tumor ; SMT)様の形態を来し,頂部に陥凹・粘膜の欠損を伴う.陥凹境界と非腫瘍粘膜の境界には蚕食像を欠く.胃カルチノイドはRindiら2)によって背景疾患や高ガストリン血症の有無からType I〜IIIに分類され,生物学的悪性度や予後とよく相関するため臨床的に用いられることが多い.
参考文献
1)日本胃癌学会(編).胃癌取扱い規約,第15版.金原出版,2017
2)Rindi G, Luinetti O, Cornaggia M, et al. Three subtypes of gastric argyrophil carcinoid and the gastric neuroendocrine carcinoma:a clinicopathologic study. Gastroenterology 104:994-1006, 1993
3)西倉健,味岡洋一,渡邉玄.胃内分泌細胞癌の病態・診断・治療.臨消内科 21:1339-1408, 2006
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