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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 疾患 胃
collagenous gastritis
著者: 小林正明1
所属機関: 1新潟県立がんセンター新潟病院内科
ページ範囲:P.612 - P.612
文献購入ページに移動 CG(collagenous gastritis)は,粘膜固有層の炎症細胞浸潤および粘膜上皮下の肥厚(≧10μm)したcollagen bandの存在により病理組織学的に定義される疾患である.発生機序は不明で,本邦では,比較的若年者にみられる胃限局型のCGが多く,アトピー性皮膚炎や気管支喘息の合併例が報告されている1).海外では,若年者〜中高年者にみられ,十二指腸,小腸,大腸にも所見を認めることがあり,セリアック病や薬剤との関連性が注目されている2).
胃限局型CG(Fig.1)3)では,病理組織学的に炎症所見が不均一で,腺管萎縮がまだらに起こるため,陥凹性変化の中に粘膜が顆粒状〜島状に取り残される(取り残し島状粘膜)ことが特徴であり,隆起部からの生検では,炎症細胞浸潤やcollagen bandの肥厚は乏しく,病理学的に診断が難しい1).X線造影検査や内視鏡検査では,胃体部大彎を中心に非びらん性陥凹を認め,顆粒状変化が目立ち,敷石状変化が観察される症例もある1).NBI(narrow band imaging)拡大観察では陥凹部に一致して,微小血管の軽度の走行不整を認める2).
胃限局型CG(Fig.1)3)では,病理組織学的に炎症所見が不均一で,腺管萎縮がまだらに起こるため,陥凹性変化の中に粘膜が顆粒状〜島状に取り残される(取り残し島状粘膜)ことが特徴であり,隆起部からの生検では,炎症細胞浸潤やcollagen bandの肥厚は乏しく,病理学的に診断が難しい1).X線造影検査や内視鏡検査では,胃体部大彎を中心に非びらん性陥凹を認め,顆粒状変化が目立ち,敷石状変化が観察される症例もある1).NBI(narrow band imaging)拡大観察では陥凹部に一致して,微小血管の軽度の走行不整を認める2).
参考文献
1)小林正明,佐藤祐一,上村顕也,他.胃・十二指腸におけるcollagenous colitis類似病変の特徴.胃と腸 44:2019-2028, 2009
2)小林正明,星隆洋,森田慎一,他.似て非なる疾患か? collagenous gastritisとcollagenous colitis.臨消内科 32:730-734, 2017
3)小林正明.collagenous gastritis.長浜隆司,竹内学(編).上部消化管内視鏡診断アトラス.医学書院,pp 94-95, 2020
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