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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 疾患 十二指腸
Brunner腺過形成
著者: 清森亮祐1 蔵原晃一1
所属機関: 1松山赤十字病院胃腸センター
ページ範囲:P.623 - P.623
文献購入ページに移動 Brunner腺は十二指腸の固有腺であり,十二指腸乳頭付近よりも近位側では粘膜下層を主座に密在している.病理組織学的に異型性のないBrunner腺が領域性を持って過剰に増殖したものがBrunner腺過形成である1).
Brunner腺過形成はBrunner腺が密在する十二指腸球部〜下行部の乳頭近位側に好発する.表面が平滑な粘膜下腫瘍(submucosal tumor ; SMT)様隆起の形態を呈し,表面に開口部や陥凹を伴うことがある(Fig.1a).病理組織学的にBrunner腺過形成巣(MUC6陽性)の表層には胃腺窩上皮化生(MUC5AC陽性)が形成されることが多く,NBI(narrow band imaging)併用拡大観察では病変表面に胃腺窩上皮に類似するパターンを認めることが多い(Fig.1b〜e)2)3).生検では過形成巣まで採取できないこともあるため,厳密な診断は切除標本に基づく必要がある.
Brunner腺過形成はBrunner腺が密在する十二指腸球部〜下行部の乳頭近位側に好発する.表面が平滑な粘膜下腫瘍(submucosal tumor ; SMT)様隆起の形態を呈し,表面に開口部や陥凹を伴うことがある(Fig.1a).病理組織学的にBrunner腺過形成巣(MUC6陽性)の表層には胃腺窩上皮化生(MUC5AC陽性)が形成されることが多く,NBI(narrow band imaging)併用拡大観察では病変表面に胃腺窩上皮に類似するパターンを認めることが多い(Fig.1b〜e)2)3).生検では過形成巣まで採取できないこともあるため,厳密な診断は切除標本に基づく必要がある.
参考文献
1)九嶋亮治.十二指腸非腫瘍性ポリープの病理所見.胃と腸 56:853-860, 2021
2)平田敬,蔵原晃一,八板弘樹,他.十二指腸非腫瘍性病変の拡大観察.胃と腸 54:246-258, 2019
3)平田敬,蔵原晃一,大城由美,他.十二指腸非乳頭部上皮性腫瘍と腫瘍様病変の内視鏡所見—内視鏡的鑑別診断を含めて.胃と腸 54:1103-1120, 2019
4)原田英,蔵原晃一,大城由美,他.NBI併用拡大観察が有用であったBrunner腺由来の十二指腸癌の1例.胃と腸 51:1617-1625, 2016
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