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文献詳細

雑誌文献

胃と腸57巻5号

2022年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 疾患 下部消化管

炎症性筋腺管ポリープ

著者: 森山智彦1 川床慎一郎2

所属機関: 1九州大学病院国際医療部 2九州大学大学院医学研究院形態機能病理学

ページ範囲:P.628 - P.628

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 炎症性筋腺管ポリープ(inflammatory myoglandular polyp)は,1992年にNakamuraら1)によって報告された非腫瘍性の大腸ポリープである.便潜血や血便,貧血などを契機として発見されるが,無症状のことも多い.男性に多く,好発部位はS状結腸〜直腸を中心とした遠位側大腸で,単発性である.病因は不明だが,腸管蠕動による慢性刺激が一因と考えられている.
 ポリープは表面平滑な球状で,亜有茎性〜有茎性の形態を呈し,強い発赤調でびらんや薄い白苔を伴うことが多く(Fig.1a),“傷んだイチゴ状”とも称される2).近接して表面構造を観察すると,広い間質にやや大型で円形〜卵円形の腺管開口部を散在性に認める3)(Fig.1b).

参考文献

1)Nakamura S, Kino I, Akagi T. Inflammatory myoglandular polyps of the colon and rectum. A clinicopathological study of 32 pedunculated polyps, distinct from other types of polyps. Am J Surg Pathol 16:772-779, 1992
2)永田信二,隅岡正昭,佐藤理,他.Inflammatory myoglandular polypの5例.日消誌 95:145-150, 1998
3)Moriyama T, Matsumoto T, Hizawa K, et al. Inflammatory myoglandular colorectal polyps:a case series of nine patients. Endoscopy 35:363-365, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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