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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 疾患 下部消化管
大腸低分化腺癌
著者: 斉藤裕輔1
所属機関: 1市立旭川病院消化器病センター
ページ範囲:P.631 - P.631
文献購入ページに移動 大腸の低分化腺癌(粘液癌,印環細胞癌を含む)は,全大腸癌の4〜7%程度と報告されており,比較的まれな組織型である.一般に,右側結腸に発生頻度が高く,脈管侵襲およびリンパ節転移が高率で,小さなうちから深部浸潤する傾向が強いため発見時進行例が多く,予後不良の場合が多い.早期癌での発見はまれであるが,その予後は良好である.
早期大腸低分化腺癌の多くは胃型の形質を示す分化型腺癌からの進展移行例であり1),de novo発生した低分化腺癌はまれである.また,鋸歯状病変が発生母地となっている病変もある2).
早期大腸低分化腺癌の多くは胃型の形質を示す分化型腺癌からの進展移行例であり1),de novo発生した低分化腺癌はまれである.また,鋸歯状病変が発生母地となっている病変もある2).
参考文献
1)Suzuki A, Nagasako K, Fujimori T, et al. Clinicopathologic evaluation of the trend toward histologically poor differentiation with submucosal invasion in superficial early colorectal adenocarcinomas. J Gastroenterol 35:832-839, 2000
2)冨野泰弘,入口陽介,小田丈二,他.過形成,鋸歯状腺腫から発育進展した大腸低分化腺癌の1例.胃と腸 45:1808-1814, 2010
3)坂本琢,松田尚久,松本美野里,他.大腸低分化腺癌の内視鏡的特徴.胃と腸 45:1750-1756, 2010
4)斉藤裕輔.臨床の立場から.胃と腸 45:1830-1832, 2010
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