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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 疾患 下部消化管
腸管リンパ腫
著者: 池上幸治1 中村昌太郎23
所属機関: 1松山赤十字病院胃腸センター 2国際医療福祉大学医学部消化器内科 3高邦会高木病院消化器センター
ページ範囲:P.632 - P.633
文献購入ページに移動確定診断には病理組織学的検査,特に免疫組織化学染色が必須であり,FISH法(fluorescence in situ hybridization)による染色体転座の検査も有用である.組織型分類は2017年のWHO分類改訂第4版2)に従う.腸管リンパ腫では,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma ; DLBCL)が最も多く,胃では頻度の低い濾胞性リンパ腫(follicular lymphoma ; FL)が約1/4を占める.MALT(mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫やNK/T細胞リンパ腫も比較的多く,マントル細胞リンパ腫やBurkittリンパ腫もみられる.MALTリンパ腫の特殊型である免疫増殖性小腸病(immunoproliferative small intestinal disease ; IPSID)も存在する.腸症関連T細胞リンパ腫(enteropathy-associated T-cell lymphoma)は,セリアック病に合併するもの(従来のI型)に限定され,従来のII型は単形性上皮向性腸管T細胞リンパ腫(monomorphic epitheliotropic intestinal T-cell lymphoma ; MEITL,Fig.1)と改称された.
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