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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 疾患 下部消化管
LST(laterally spreading tumor)
著者: 岡志郎1 田中信治2
所属機関: 1広島大学病院消化器・代謝内科 2広島大学大学院医系科学研究科内視鏡医学
ページ範囲:P.634 - P.635
文献購入ページに移動従来,側方に発育する大腸病変は,佐竹ら2)による花壇様を呈する隆起性病変の報告に始まり,平盤様隆起,carpet lesion,IIa集簇様病変,creeping tumorなどさまざまな呼称を経て,“結節集簇型病変”と呼称されるようになった.その後,工藤ら1)は結節のない平坦な側方発育型病変の存在を明らかにし,側方に発育するすべての大腸病変が“結節集簇型病変”では表現できないとして,側方発育する10mm以上の大腸腫瘍を“LST”と定義した.この点に関しては,2008年2月に開催された京都ワークショップ「International workshop on nonpolypoid mucosal colorectal neoplasia」において国際的なコンセンサスが得られている3).これを経て,「大腸癌取扱い規約 第8版」4)に大腸LSTの定義が典型的内視鏡画像,肉眼型との関係も含めて明記された.これまで世界的に使用されていた“LST”という用語が,コンセンサスが得られた定義で規約に掲載された意義は大きい.
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