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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 疾患 下部消化管
潰瘍性大腸炎
著者: 長沼誠1
所属機関: 1関西医科大学内科学第三講座
ページ範囲:P.640 - P.641
文献購入ページに移動 潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis ; UC)は持続性または反復性の粘血便・血性下痢などを認める炎症性腸疾患である.UCが疑われるときには,理学的検査や血液検査を行い,さらに放射線照射歴,抗菌薬服用歴,海外渡航歴などを聴取し,他疾患を除外するとともに,下部消化管内視鏡検査や病理検査にて診断を行う.また診断後も,臨床症状と大腸粘膜の炎症の程度は乖離することもあるため,内視鏡による活動性評価は重要である.さらに内視鏡検査は炎症の範囲の把握や腫瘍病変の検出にも有用である.
慢性炎症に合併して発症するUC関連腫瘍は,境界不明瞭な病変も少なからず認められるのが特徴である(Fig.1).疑わしい病変については,積極的に色素内視鏡検査を併用することが重要である.
慢性炎症に合併して発症するUC関連腫瘍は,境界不明瞭な病変も少なからず認められるのが特徴である(Fig.1).疑わしい病変については,積極的に色素内視鏡検査を併用することが重要である.
参考文献
1)Schroeder KW, Tremaine WJ, Ilstrup DM. Coated oral 5-aminosalicylic acid therapy for mildly to moderately active ulcerative colitis. A randomized study. N Engl J Med 317:1625-1629, 1987
2)Travis SP, Schnell D, Krzeski P, et al. Reliability and initial validation of the ulcerative colitis endoscopic index of severity. Gastroenterology 145:987-995, 2013
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