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文献詳細

雑誌文献

胃と腸57巻5号

2022年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 疾患 下部消化管

microscopic colitis

著者: 山村健史1 中村正直1

所属機関: 1名古屋大学大学院医学系研究科消化器内科学

ページ範囲:P.652 - P.652

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 顕微鏡的大腸炎(microscopic colitis ; MC)はCC(collagenous colitis)1)とLC(lymphocytic colitis)の総称である.難治性下痢を主訴とし,診断は生検病理により行われ,内視鏡所見だけでは診断できない.
 病理組織学的特徴として,CCでは①大腸上皮下膠原線維束(collagen band)の肥厚(10μm以上),②粘膜固有層のリンパ球・形質細胞浸潤,③陰窩の正常配列であり,④表層上皮の剝離・平坦化,⑤ IEL(intraepithelial lymphocyte)の増加もみられる.一方,LCはcollagen bandの肥厚は認めず,IELの著明な増加(≧20個/表層上皮細胞100細胞)が特徴である.これらの所見は正常粘膜からの生検でも認められることがあるため,MCを疑う場合は内視鏡的に異常がなくても各部位から生検を行い,MCを鑑別に入れていることを病理医に伝えることが望ましい.

参考文献

1)Lindström CG. ‘Collagenous colitis' with watery diarrhoea—a new entity? Pathol Eur 11:87-89, 1976
2)山崎健路,清水誠治,華井頼子,他.薬剤に関連するcollagenous colitisの病態と診断.胃と腸 51:450-462, 2016
3)Miehlke S, Madisch A, Kupcinskas L, et al. Budesonide is more effective than mesalamine or placebo in short-term treatment of collagenous colitis. Gastroenterology 146:1222-1230, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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