文献詳細
増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022
疾患 下部消化管
文献概要
大腸憩室は固有筋層が消失した仮性憩室であり,腸管管腔内圧の上昇に従い,直細動脈(vasa recta)が固有筋層から管腔側へ貫いて入る脆弱部位で発生する.頻度は加齢に伴って高まり,40歳以下では10%以下,50歳代では30%,70歳代では50%,80歳代以上になると50〜66%となる1).本邦における50歳未満の大腸憩室保有者では,75%近くの憩室が右半結腸に認められるが,加齢とともに左側結腸憩室の割合が増加する.一方,米国では大腸憩室の80%が左側結腸にあり,S状結腸が70%と大半を占める2).以下に,憩室関連疾患として憩室関連性腸炎と憩室出血について詳述する.
参考文献
1)Stollman NH, Raskin JB. Diverticular disease of the colon. J Clin Gastroenterol 29:241-252, 1999
2)貝瀬満,石井直樹,瓜田純久,他.大腸憩室症(憩室出血・憩室炎)ガイドライン.日消化管会誌 1(Suppl):1-53, 2017
3)飯室正樹,中村志郎,樋田信幸,他.大腸憩室炎の診断と内科的治療.日本大腸肛門病会誌 61:1021-1025, 2008
掲載誌情報