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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 疾患 下部消化管
尖圭コンジローマ
著者: 山崎健路1
所属機関: 1岐阜県総合医療センター消化器内科
ページ範囲:P.663 - P.663
文献購入ページに移動 尖圭コンジローマは,HPV(human papillomavirus)6型,11型の直接感染によって男女の外性器に好発するウイルス性疣贅疾患である.主として性交渉によって感染するため,男性では陰茎,女性では外陰部が好発部位である.時に肛門に発生し(Fig.1)直腸肛門部に伸展することがあるため1),大腸内視鏡検査が発見の契機となることがある.数mm大の半透明状の疣状隆起,さらに集簇・癒合・増大すると乳頭状隆起・鶏冠状隆起の肉眼形態を呈する(Fig.2).NBI(narrow band imaging)拡大観察ではループ状血管・dot状血管・糸くず状血管の増生が認められる(Fig.3).肛門管領域の腫瘍性病変は,同じ扁平上皮領域である表在型食道癌におけるNBI拡大像と類似した血管像を呈すると予想されるが,統一された見解はない.
参考文献
1)松田圭二,橋口陽二郎,松田大助,他.大腸腫瘍性病変の内視鏡診断—肛門管腫瘍状病変の診断.胃と腸 55:719-729, 2020
2)山崎健路,岩田仁,九嶋亮治,他.内視鏡的粘膜下層剝離術を施行した高異型度肛門上皮内腫瘍および肛門部尖圭コンジローマ併存例の1例.胃と腸 51:1487-1495, 2016
3)高橋雅恵,堀口慎一郎,山澤翔,他.肛門部尖圭コンジローマおよび高異型度肛門上皮内腫瘍の並存例—ヒトパピローマウイルスDNAの局在解析を含め.診断病理 32:136-140, 2015
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