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文献詳細

雑誌文献

胃と腸57巻5号

2022年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 疾患 全消化管

Cowden病

著者: 鳥谷洋右1 松本主之2

所属機関: 1岩手医科大学医学部内科学講座消化器内科消化管分野 2岩手医科大学医学部内科学講座消化器内科分野

ページ範囲:P.668 - P.668

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 Cowden病は,文献上1963年に初めて報告された疾患である1).皮膚・口腔粘膜病変を特徴とし,全身臓器に過誤腫を主体とした腫瘍性病変を呈する遺伝性疾患である.原因遺伝子としてPTEN遺伝子が同定されており2),常染色体優性遺伝の形式をとる.ただし,本邦では孤発性の報告例が多い.Cowden病は全消化管に病変が発生することが特徴の一つであり,中でも食道のびまん性ポリポーシスは他の消化管ポリポーシスでは認められない所見である(Fig.1).この食道病変は多発する数mm大の白色調隆起として観察され(Fig.2),病理組織学的にはglycogenic acanthosisである.胃では周囲粘膜と同色調,小腸および大腸では同色調ないし白色調を呈する数mm大の多発ポリープを認め(Fig.3),過誤腫性または過形成性ポリープの病理組織像を呈する.

参考文献

1)Lloyd KM 2nd, Dennis M. Cowden's disease. A possible new symptom complex with multiple system involvement. Ann Intern Med 58:136-142, 1963
2)Liaw D, Marsh DJ, Li J, et al. Germline mutations of the PTEN gene in Cowden disease, an inherited breast and thyroid cancer syndrome. Nat Genet 16:64-67, 1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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