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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 疾患 全消化管
好酸球性胃腸炎
著者: 石村典久1 石原俊治1
所属機関: 1島根大学医学部内科学講座(内科学第二)
ページ範囲:P.671 - P.671
文献購入ページに移動 好酸球性胃腸炎は,胃,小腸,大腸に好酸球を中心とする炎症を生じ,腹痛や下痢などのさまざまな消化器症状や機能障害を来す疾患の総称である.単一の臓器に限局する場合は好酸球性胃炎,好酸球性小腸炎,好酸球性大腸炎などと呼ばれる.好酸球性炎症が食道に限局する好酸球性食道炎とは区別されるが,本疾患の約2割では,食道好酸球浸潤を合併する1).
本疾患は新生児・小児〜成人・高齢者まで幅広く生じ,性差はみられない.アレルギー性鼻炎や喘息などのアレルギー疾患の併存例が多い1)2).消化管壁における好酸球浸潤の主座によって粘膜優位型,筋層優位型,漿膜下層優位型,全層型に分類される3)4).粘膜優位型では下痢,腹痛などの腸炎症状を呈する.筋層優位型では消化管壁の肥厚や硬化によって閉塞症状を来す.また,漿膜下層優位型では腸炎症状に加え,腹膜炎徴候や腹水を伴うことが多い.全層型では他の病型に比較してアレルギー歴のない男性に多く,多様な臨床症状を示し,穿孔を合併することもある.
本疾患は新生児・小児〜成人・高齢者まで幅広く生じ,性差はみられない.アレルギー性鼻炎や喘息などのアレルギー疾患の併存例が多い1)2).消化管壁における好酸球浸潤の主座によって粘膜優位型,筋層優位型,漿膜下層優位型,全層型に分類される3)4).粘膜優位型では下痢,腹痛などの腸炎症状を呈する.筋層優位型では消化管壁の肥厚や硬化によって閉塞症状を来す.また,漿膜下層優位型では腸炎症状に加え,腹膜炎徴候や腹水を伴うことが多い.全層型では他の病型に比較してアレルギー歴のない男性に多く,多様な臨床症状を示し,穿孔を合併することもある.
参考文献
1)Yamamoto M, Nagashima S, Yamada Y, et al. Comparison of nonesophageal eosinophilic gastrointestinal disorders with eosinophilic esophagitis:a nationwide survey. J Allergy Clin Immunol Pract 9:3339-3349, 2021
2)厚生労働省好酸球性消化管疾患研究班(編).幼児・成人好酸球性消化管疾患診療ガイドライン.https:///www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/allergy/EGIDs_guideline.pdf(2022年2月24日閲覧)
3)Klein NC, Hargrove RL, Sleisenger MH, et al. Eosinophilic gastroenteritis. Medicine(Baltimore) 49:299-319, 1970
4)西村浩,大浦元孝,富田哲男.好酸球性腸炎の1例および本邦報告60例の文献的考察.Gastroenterol Endosc 31:2196-2204, 1989
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