胃と腸57巻5号

2022年05月発行

増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 疾患 全消化管

アミロイドーシス

著者： 大川清孝¹² 佐野弘治¹

所属機関： ¹大阪市立十三市民病院消化器内科 ²淀川キリスト教病院消化器内科

ページ範囲：P.672 - P.672

　アミロイドーシスは，線維構造を有するアミロイド蛋白が細胞外に沈着し，諸臓器の機能障害を来す難治性疾患であり，沈着する線維蛋白の違いにより分類される．消化管への沈着を認めるのは，炎症に起因する血清アミロイド蛋白が沈着するAA（amyloid A）アミロイドーシス，異型形質細胞より産生される免疫グロブリン軽鎖が沈着するAL（amyloid light chain）アミロイドーシス，β2microglobulin（β2M）が沈着する透析アミロイドーシス，変異型由来TTR（transthyretin）が沈着する遺伝性TTRアミロイドーシス，野生型由来TTRが沈着する老人性全身性アミロイドーシスなどである．

参考文献

1）大川清孝，上田渉，向川智英，他．消化管アミロイドーシスの臨床像—画像診断を中心に—大腸病変の特徴．胃と腸　49：321-334, 2014

2）小林正明，森田俊，宮崎滋，他．透析アミロイドーシス．胃と腸　38：619-627, 2003

3）鎌野俊彰，平田一郎，大宮直木，他．消化管病変を呈した老人性全身性アミロイドーシスの1例．胃と腸　49：366-375, 2014