icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸57巻5号

2022年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 分類・定義 食道

食道胃接合部癌の分類(Siewert分類・西分類)

著者: 森田祐規1 由雄敏之2

所属機関: 1がん研究会有明病院消化器内科 2がん研究会有明病院上部消化管内科

ページ範囲:P.682 - P.683

文献購入ページに移動
 食道胃接合部(esophagogastric junction ; EGJ)は,「食道癌取扱い規約」1)および「胃癌取扱い規約」2)において,独立した領域として分類されている.EGJ領域に発生する癌は胸部下部食道癌,あるいは胃上部癌と異なるリンパ節転移様式をとるため,手術様式,特に切除郭清において特殊な配慮を要する.また,扁平上皮癌,腺癌のいずれも発生し,腺癌においてはBarrett食道上皮,食道固有腺,噴門腺,通常の胃型など発生母地は多岐にわたる.用語や定義・分類もさまざまなものが用いられており,混乱を招きやすいため整理が必要である.
 EGJは「食道癌取扱い規約」1)にて,内視鏡,X線(上部消化管造影),病理を用いて総合的に判断するとされている(Table 1).治療開始前に判断することが重要であるため,内視鏡による診断を優先する.

参考文献

1)日本食道学会(編).食道癌取扱い規約,第11版.金原出版,2015
2)日本胃癌学会(編).胃癌取扱い規約,第15版.金原出版,2017
3)西満正.噴門癌について—食道胃境界部癌の提唱.外科診療 15:1328-1338, 1973
4)Siewert JR, Stein HJ. Classification of adenocarcinoma of the oesophagogastric junction. Br J Surg 85:1457-1459, 1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?