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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 分類・定義 胃
拡大内視鏡分類(VS classification system)
著者: 八尾建史1
所属機関: 1福岡大学筑紫病院内視鏡部
ページ範囲:P.700 - P.701
文献購入ページに移動VS(vessel plus surface)classification systemは,拡大内視鏡による早期胃癌の診断体系として筆者ら1)が考案し提唱した.その経緯について概説する.2002年に筆者ら1)は早期胃癌に特徴的な拡大内視鏡による微小血管構築像〔microvascular(MV)pattern〕を世界に先駆けて発見し報告した.したがって,しばらくは,MV patternのみを用いた診断体系を用いていたが,2006年から狭帯域光観察(narrow band imaging ; NBI)を併用した拡大内視鏡観察が一般の臨床でも可能になった.NBIを拡大観察に併用するとMV patternに加えてさまざまな表面微細構造〔microsurface(MS)pattern〕も視覚化されるため,MS patternも診断体系に加え,現在のVS classification systemが完成した2).
VS classification systemの特徴は,拡大内視鏡で視覚化される解剖学的構造や光学的現象を解析に用いることである.また,他の内視鏡分類ではいくつかのカテゴリーに当てはめて診断する方法を採用しているが,それらと異なり,単純な診断基準を用い,癌・非癌の診断を行う点が特徴である.
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