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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 病理
Ki-67
著者: 新井冨生1
所属機関: 1東京都健康長寿医療センター病理診断科
ページ範囲:P.717 - P.717
文献購入ページに移動 Ki-67は白血病患者の自己抗体から認識された蛋白質で,増殖を示す細胞の核小体および核分裂期の染色体上に発現する.抗Ki-67抗体は当初リンパ腫培養株の核分画を抗原として開発された1).MIB-1は抗Ki-67抗体のクローンの一つとして最も一般的に用いられており,Ki-67標識率と同義でMIB-1 indexという名称も用いられている.Ki-67の名称はKiel-67の略であるが,現在はKi-67(またはMKI67)が蛋白質名として登録されている.Ki-67は10番染色体長腕に存在するMKI67遺伝子にコードされる.
Ki-67は細胞周期に関連する分子の一つで,休止期(G0)を除くすべての周期(G1,S,G2,M)にある細胞の核に発現するため,細胞増殖マーカーとして利用されている.細胞内のKi-67量は細胞分裂G1期後期から発現量に変化が現れ,S期に急速に増加し,M期で最大となる.Ki-67標識率は腫瘍の悪性度や予後とよく相関し,細胞増殖マーカーとして非常に有用である2).
Ki-67は細胞周期に関連する分子の一つで,休止期(G0)を除くすべての周期(G1,S,G2,M)にある細胞の核に発現するため,細胞増殖マーカーとして利用されている.細胞内のKi-67量は細胞分裂G1期後期から発現量に変化が現れ,S期に急速に増加し,M期で最大となる.Ki-67標識率は腫瘍の悪性度や予後とよく相関し,細胞増殖マーカーとして非常に有用である2).
参考文献
1)Gerdes J, Schwab U, Lemke H, et al. Production of a mouse monoclonal antibody reactive with a human nuclear antigen associated with cell proliferation. Int J Cancer 31:13-20, 1983
2)Brown DC, Gatter KC. Monoclonal antibody Ki-67:its use in histopathology. Histopathology 17:489-503, 1990
3)Klimstra DS, Klöppel G, La Rosa S, et al. Classification of neuroendocrine neoplasms of the digestive system. In The WHO Classification of Tumours Editorial Board(eds). WHO Classification of Tumours, Digestive System Tumours, 5th ed. IARC press, Lyon, pp 16-22, 2019
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