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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 病理
desmoplastic reaction(DR)
著者: 伴慎一1
所属機関: 1獨協医科大学埼玉医療センター病理診療科
ページ範囲:P.726 - P.726
文献購入ページに移動 癌病巣は癌細胞と間質組織とから成っている.癌が線維組織に富む固い間質形成を呈する場合,そのような間質変化に対して従来desmoplasiaあるいはDR(desmoplastic reaction)という表現がなされてきた1).DRは単に間質の線維化がみられるということではなく,既存間質組織とは異なる癌特異的間質形成のプロセスの一つとみなされ,癌浸潤部における活性化線維芽細胞〔CAF(cancer-associated fibroblast)と呼ばれるmyofibroblast〕の出現と膠原線維を含む細胞外基質の沈着が種々の程度に認められることを特徴とする2).
消化管領域の病理組織学的診断の中でDRの所見の評価は,大腸癌において以下のような場合にその意義が認められている.それぞれにおいて注目する病理組織学的所見が異なっており,その点を理解してDRの所見を評価する必要がある.
消化管領域の病理組織学的診断の中でDRの所見の評価は,大腸癌において以下のような場合にその意義が認められている.それぞれにおいて注目する病理組織学的所見が異なっており,その点を理解してDRの所見を評価する必要がある.
参考文献
1)Kumar V, Abbas AK, Aster JC. Robbins and Cotran Pathologic Basis of Disease, 9th ed. Elsevier, Philadelphia, p 266, 2014
2)Karagiannis GS, Poutahidis T, Erdman SE, et al. Cancer-associated fibroblasts drive the progression of metastasis through both paracrine and mechanical pressure on cancer tissue. Mol Cancer Res 10:1403-1418, 2012
3)Kimura R, Fujimori T, Ichikawa K, et al. Desmoplastic reaction in biopsy specimens of early colorectal cancer:a Japanese prospective multicenter study. Pathol Int 62:525-531, 2012
4)伴慎一,大倉康男.sm癌診断における粘膜筋板の判定方法—大腸癌のsm浸潤度を判定する基準としての粘膜筋板の問題点.早期大腸癌 4:137-143, 2000
5)Ueno H, Kajiwara Y, Ajioka Y, et al. Histopathological atlas of desmoplastic reaction characterization in colorectal cancer. Jpn J Clin Oncol 51:1004-1012, 2021
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