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文献詳細

雑誌文献

胃と腸57巻5号

2022年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 病理

簇出

著者: 神藤英二1 上野秀樹1

所属機関: 1防衛医科大学校外科学講座

ページ範囲:P.727 - P.727

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定義
 tumor budding(簇出)は癌の先進部における脱分化の客観的指標の一つであり,大腸癌研究会による簇出検討プロジェクトにおける討議を経て,“癌発育先進部間質に浸潤性に存在する単個または5個未満の癌細胞から構成される癌胞巣”と定義された1).tumor buddingはHE染色の標本で評価し,その程度は最も高度な領域における対物20倍1視野内の胞巣数を計測することで,4個以下をBD(budding)1,5〜9個をBD 2,10個以上の場合をBD 3と分類する2)(Fig.1〜3).サイトケラチン免疫組織化学染色などを補助的に使用する方法も報告されているが,現行の評価基準の根拠となったデータはHE染色での評価から得られており,免疫組織化学染色の意義は確立されていないことに留意する必要がある.

参考文献

1)Ueno H, Murphy J, Jass JR, et al. Tumour ‘budding' as an index to estimate the potential of aggressiveness in rectal cancer. Histopathology 40:127-132, 2002
2)大腸癌研究会(編).大腸癌取扱い規約,第9版.金原出版,2018
3)Ueno H, Ishiguro M, Nakatani E, et al. Prospective multicenter study on the prognostic and predictive impact of tumor budding in stage II colon cancer:results from the SACURA trial. J Clin Oncol 37:1886-1894, 2019
4)Lugli A, Kirsch R, Ajioka Y, et al. Recommendations for reporting tumor budding in colorectal cancer based on the International Tumor Budding Consensus Conference(ITBCC)2016. Mod Pathol 30:1299-1311, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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