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文献詳細

雑誌文献

胃と腸57巻5号

2022年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 病理

parietal cell hyperplasia/protrusion

著者: 二村聡1

所属機関: 1福岡大学筑紫病院病理部・病理診断科

ページ範囲:P.729 - P.729

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 parietal cell hyperplasia/protrusionは,“胃底腺構成細胞の一つである壁細胞(塩酸分泌細胞)の数が増し,かつ,同細胞の細胞質が膨らんで腺腔側に突出した状態”を意味する病理組織学的所見用語である.典型例では当該胃底腺の内腔の縁取りが鋸歯状を呈することから,低倍率視野でも容易に認識できる.
 本所見の最初の記載は,ドイツのStolteら1)によるが,彼らはprotrusionではなくpseudohypertrophyという用語を使った.壁細胞の細胞質の特徴的な膨らみと,腺腔側への出っ張り(凸面形成)をconvexly bulgingと表現した.その後,Krishnamurthyら2)が,壁細胞の細胞質の舌状の突出像をPCP(parietal cell protrusion)という用語を使って報告した.本所見は,いまやプロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor ; PPI)の長期使用に関連した代表的な胃粘膜変化の一つとして臨床医にも病理医にも広く認知され,また,血清ガストリン値と正の相関を示す病理組織学的変化の判断根拠となっている.

参考文献

1)Stolte M, Bethke B, Rühl G, et al. Omeprazole-induced pseudohypertrophy of gastric parietal cells. Z Gastroenterol 30:134-138, 1992
2)Krishnamurthy S, Dayal Y. Parietal cell protrusions in gastric ulcer disease. Hum Pathol 28:1126-1130, 1997
3)Hasegawa R, Yao K, Ihara S, et al. Magnified endoscopic findings of multiple white flat lesions:a new subtype of gastric hyperplastic polyps in the stomach. Clin Endosc 51:558-562, 2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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